フランスあれこれ110 マルシェと蚤の市
パリに単身赴任して以来、パリの中央ともいえるオペラ座の裏、プランタンやラファイエット百貨店近くのワンルームに住んでいました。約一年後家内が子供連れでパリに来ることになりました。子供がまだ一歳という事も考慮して家探しを始めました。賃貸斡旋会社の人も真面目に相談に乗ってくれた結果、パリの郊外シュレンヌ(Suresnnes)という町を第一候補としました。早速車の運転免許の取得、無論車の購入が必要でした。場所はシャンデリゼからブローニュの森を通過してセーヌ川を渡ったところです。
街の中央にマーケット広場(Place de marches)があり、毎週日曜日に大きなマーケットが開かれます(他に確か木曜日も少し小型の市場が開かれました)。家内と一緒に初めてマーケットに行った時、スケールの大きさにもびっくりしたのですが、商品が山積みで種類も豊富なのには本当に驚きました。特に日本と異なる点は販売はキロ単位(1/2キロあり)、日本のように手で触れたり選別することは許されないマナーです。注文すると店員さんが適当に大小や品質も加味して紙に包んでくれます。皆さん公平に!と言った具合です。肉類も色々と種類も多く、ハム・ソーセージなど極めて豊富。中でもびっくりは30㎝くらいの長さの牛の舌がずらりと並び、舌の先端10センチくらいが垂れ下がっています。また裸のウサギが耳だけに毛が付いていて、それを結んで棹に沢山ぶら下がっていたり。
同じ広場で月に一度くらいだと思いますが、蚤の市が開かれます。ハイムのフリーマーケットと同じです。違うところはテーブルが並んでいたことくらい。子どもが不要となったおもちゃをたった一点だけ出していたり、日用品も含めて何でもありと並んでいます。通行人も含め結構人出もあって、そこそこ売れているようでした。夕方同じところに出くわすと出展品が大幅に減っているのは売れ残りか、それとも売れずに諦めて持ち帰ったのか?
(追記)この町の郊外にモンバレリアンと言う19世紀の五稜郭の要塞跡があります。そこに第2次大戦のパリコミューン(地下組織)犠牲者の慰霊碑があり、毎年夏ドゴール大統領が参拝に来ます。当時から結構注目されていた町だったようで、その後フランスの友人が独立して新会社を設立したのもこの町です。昨今の写真を見ると大変に発展している事が覗えますが、マルシェや蚤の市がどうなったのかちょっと気がかりです。
(追記2)後になって聞いた話ですが、マルシェの発端は中世の修道院だと言います。農産物に限らずワインだとか、或いは絹などの繊維品など、いろいろな分野での産業発展の基礎でもあったとか。