オペラ『蝶々夫人』の魅力(1)

きれいに着飾った舞妓さんたちのかわいらしい舞姿!

2013年7月21日(日)のことであった。京都祇園甲部歌舞練場での舞の会を見学した。(台湾から日本舞踊の萱老師も出演していた。)次から次へと舞を披露される出演者の艶やかさに、私は9年前(2004年11月)の関西合同三田会主催「日本文化のおもてなし」をテーマにした「京都市勧業館(みやこめっせ)」での舞妓さん達を思い出していた。

会場では武者小路千家(官休庵)家元のお呈茶席に福澤諭吉直筆の掛け軸が掛けられている。
そして、宴会場でのおもてなしは祇園の有名な御茶屋「一力」の芸・舞妓総出での接待であった。

普通の日本人では絶対と言っていいほど触れることの出来ない特別な上方の伝統文化である。
芸妓さん達の舞の披露も終わり、最後に舞妓さん達八人全員で舞っているとき、そのかわいらしさに私は驚嘆してしまった。素人目にも技芸は芸妓さん達より相当劣っているし、容姿や美人という点でも。それまでは、それらをカバーするためにかんざしや華麗な着物やだらりの帯があると思って見ていたのだが、見ている内にその全員のかわいらしさに我を忘れて唖然としてしまったのである。

近くで接待を受けて話していた時は、顔も着物もよく見えていたのに、かわいらしさは全く感じなかった。近くで見たその舞妓さんはどこにでもいる普通の女性であった。しかし、舞っている舞妓さん達からはかわいらしさしか見えなかった。

マダム・バタフライ=蝶々さんはこんな芸妓さんだったのではないか、とふと思った。

~オペラ『蝶々夫人』の魅力(2)につづく~

 

杉本 知瑛子

大阪芸術大学演奏科(声楽)、慶應義塾大学文学部美学(音楽)卒業。中川牧三(日本イタリア協会会長、関西日本イタリア音楽協会会長))、森敏孝(東京二期会所属テノール歌手、武蔵野音大勤務)、五十嵐喜芳(大芸大教授:イタリアオペラ担当)、大橋国一(大芸大教授:ドイツリート担当)に師事。また著名な海外音楽家のレッスンを受ける。NHK(FM)放送「夕べのリサイタル」、「マリオ・デル・モナコ追悼演奏会」、他多くのコンサートに出演。

 

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