追憶のオランダ(40)高速道路でも跳ね橋にしてしまう

オランダでは、日本では普通にあまり考えられないことが実際にそこここに見られます。それは日本での普通という概念がそれほど普遍的ではないのか、オランダ式の発想自体が突飛過ぎていて、あるいはユニーク過ぎてで、我々日本人から見るとちょっと普通ではないように思えるのか、よく分かりません。でも、そんな光景を実際自分の目で見てみると、「あっ、そういう考え方もあるんだ・・・。」と、つい頬が緩んで納得してしまいます。

例えばその一つが、高速道路が大きな川を跨ぐ場所で、交差する川を通行する船舶のために高速道路そのものが開閉式の大きな跳ね橋になっているところがあります。船舶の通行は日に何回か決められており、定刻になると高速道路上の車は手前の信号で止められ、開閉式の道路部分が大きく跳ね上がります。その間船舶は悠々と通過して行く。この時刻を知らずにそこを通りかかると、突然の渋滞に巻き込まれます。おそらく日本なら、一般道路ならこの種の跳ね橋もあるにはありますが、高速道路の場合は川を跨ぐ大きな立体交差の橋を架けて通すことを考えるでしょう。しかし、オランダは少し発想が異なります。「奇妙な地形ー2」でもご紹介した高速道路の上を跨いで川が流れ、そこを舟が悠然と通過する、これもオランダならではの光景です。

高速道路が跳ね橋になって跳ね上がる? 言葉では理解できるが一体どんな光景になるの?と思われる方は、我が第二の故郷ロッテルダムを舞台にしたジャッキー・チェン主演の少し古い映画「Who am I?(我是誰?)」をご覧になると、最後のところでこのシーンが使われてますので、ご覧になれます。ちょうど今、Gyaoの無料視聴サイトでこの映画を観ることが出来ます(これはGyaoの宣伝ではありません)。
ついでに、ロッテルダムの案内を少し。この高速道路はマース川と呼ばれるライン川の最下流部分を跨いで北はアムステルダム、南はブリュッセルとを南北につないでいます。ロッテルダムはこの川沿いに出来た町で、さらにこの跳ね橋(?)から下流がすぐロッテルダム港となっています。日本などでは港と言えば海沿いの「海港」なのですが、ロッテルダムもハンブルグも実は川沿いの「河港」なのです。

跳ね橋のことをお話していて、今ふと古い記憶が蘇ってきたのですが、跳ね橋で命を落としかけた人が私の友人にいました。彼は、夕暮れ時初めての道(一般道路)を運転していた時のこと。橋があることは分かっていたようですが、日の長い夏の夕方のことで、その橋が閉じていると思いそのまま走っていき、川の中にダイブしてしまったのです。つまり、観音開きのように手前に橋が跳ね上がっているのが見える橋ならかなり手前から見て分かりますが、その橋は水平なまま橋の部分の路面が上に吊りあがるタイプの橋だったのです。したがって、夕方だったことも手伝って手前からは橋は向こう側が見えることで、橋が開いていないように錯覚したらしいのです。たまたま、その橋の近くの家の住人が屋外でそれを目撃してくれたおかげで、すぐに救助してくれたので命は助かったようなのですが、もし真冬ならおそらく誰にも目撃されないということもあったかもしれません。跳ね橋の手前に信号機はなかったのでしょうか?それとも、その友人は信号に気付かなかったのでしょうか?

    追憶のオランダ(40)高速道路でも跳ね橋にしてしまう” に対して1件のコメントがあります。

    1. MiyagawaNaoto より:

      高速道路でも跳ね橋にしてしまうオランダ。
      上記記事にもあとで追加で挿入しましたが、現在Gyaoの無料視聴サイトで、高速道路の跳ね橋の開くシーンをご覧いただけます。もう20年位前の古い映画ですが、ジャッキー・チェン主演の映画でロッテルダムを舞台にした「Who am I?(我是誰?)」という映画の最後の結末のシーンです。
      是非どうぞ。

      宮川

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です