コッツウォルズの歩き方⑳ブロードウェイ
この村に車で入っていった時、一瞬おとぎの国に迷い込んだような感覚におそわれた。 中世には交通の要衝として栄えたブロードウエイは村名にも由来する幅の広い道路沿いに古めかしいライムストーンの館が並ぶ。軒を連ねる家々は、その軒先に思い思いの花をあしらい、そこで暮らす人々の心の温かさを醸し出している。
少し道に迷ったが、ほどなくイギリス最初の宿、オリーブ・ブランチ・ゲストハウス(The Olive Branch Guest House)に到着した。正面玄関の案内に、「Parking Rear」とあったので裏の細い道から駐車場に回ると、ヒゲをたくわえた見るからに人のよさそうな宿の主人が出迎えてくれた。
ここはこじんまりとしたB&B(Bed and Breakfast)で部屋数は7つ。長旅の疲れもあるのでシャワーよりバス付きの部屋を希望したら空いていた。はるか遠く日本からインターネットでの予約もきちんと管理されており、改めて時代も変わったなと思う。
夕食はついていないのでおすすめを聞いてみると、宿の主人が村で評判のレストランを3軒紹介してくれた。心得ていて、B&Bへの顧客には高いレストランは不要とばかりに、安くて美味しい(?)ところばかりを教えてくれた。
それは、インド料理とウエスタンとPUBであった。部屋に荷物を置いて、早速散歩に出た。メルヘンの世界にしばらくタイムスリップして散策したあと、イギリス最初の夕食はやはりPUBにしようと決めた。
~つづく~