手拭いの暖簾(14)網干と網代

夏の季節に網干(あぼし)と網代(あじろ)の日本の文様。

網干は漁に使用する投網を三角錐の形に干している様子を表現しています。波・葦・船・鳥等と共に使われます。この手拭いは千鳥です。

網代も籠文と同じく伝統的な日本の文様です。夏の海はぎらぎらと太陽の照る明るく開放的なイメージです。

でもこの二枚からは静かで爽やかな涼しさを私は感じるのです。柔らかい色彩と色遣いからワビサビに通じるものを感じて、暑さをひと時忘れられるような一品に思われます。

ヨーロッパにもエジプト文明からギリシャ・ローマへ至る長い歴史の中に時代と国を感じさせる幾多の装飾文様があります。

ずっと以前カイロ博物館の玄関前でアカンサスの大きな葉っぱを見つけました。ギリシャ彫刻や柱頭にある木の葉の唐草模様のモチーフです。目の前の実物のみずみずしい濃いグリーンの葉っぱに衝撃的な驚きと思わぬ発見に感激でした。

その後上野の芸大の音楽学部の入り口の庭にりりしく空に向かって咲くアカンサスのローズピンクの花を見つけた時は「え....日本でも咲くの?」とまた感激!6月末のことでした。

日本と西洋・東南アジアの文様・装飾図鑑は静と動、或いは優雅さとたくましさ。かなりの違いはありますが共に見ていても飽きることのない楽しさです。

先日ガーデニングクラブの方が2号棟のスズランの脇にアカンサスを植えて下さいました。大きくなって花の咲くのを心待ちにしています。

AZ

 

 

 

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