手拭いの暖簾(26)朝顔
大輪の朝顔が手拭い一杯に咲き競っています。
いくつもの色のグラデーションに本来ならゴテゴテした感じになりそうにも思えますが、何ともすがすがしく爽やかな気持ちにもなります。
結果私のお気に入りの一枚になりました。
手拭いの老舗、『かまわぬ』では伝統的な図柄や模様の手拭いが多かったのですが、この朝顔もそこの一品なのです。
時代の流れとともに人の好みも少しずつ変わっていきます。
今までの作品を踏まえた上で新しいものへ挑戦し作り出していくことでしっかりと伝統を守ることに繋がるのだと思います。
毎年種を取って植えていた朝顔ですが、昨年は狂ったようにたくさん咲き、種は取れませんでした。それで今年は5月13日に新しい種を蒔きました。そして丁度2か月、2輪咲いた大輪の一番花が写真です。
真南向きのベランダでは太陽光線が強過ぎて、夏の間ほかの草木は北側のベランダへ引っ越しをします。
ただ朝顔だけはお日様が大好きなのでしょう!
カンカン照りの太陽を一杯に浴びて毎日毎日次々と花を咲かせてくれます。寝苦しい熱帯夜から目覚めて一番先に向かうのは朝顔のところです。深呼吸をしながらおはようと言いながら花の数を数えることで
「さあ今日も一日頑張るぞ!」
と気力を貰うのです。
時に夏の花は一生懸命に逞しく色美しく咲いているのに暑苦しく感じられることもあります。朝から咲いて昼にはしおれてしまう朝顔のようなはかなさもまた日本人好みなのでしょうか?
「たくさん咲いてね」
と語りかけながら朝夕に水やりをしています。
AZ