囲碁――ニューヨーク滞在記(2)
平成20年4月10日(木) 快晴、暖かい
[ウォーキング]
センターから東にある国連に行くことにした。1番街を越して東方向へ歩いていくと行き止まりになった。これはいけないと1番街に戻ってから南に向かって10分ほどいくと、テレビなどで見慣れた国連の建物が見えてきた。まだ時間が早いのでビルの周りは閑散としているが、日中になると国際関係の白熱した議論がこの中で展開されるのだろう。国連を通り過ぎて歩いていくと右手の先の方にエンパイアステートビルが見えてきた。このエンパイアステートビルは少し開けたところへ出るとどこからでも見える。ニューヨークの象徴たる所以だと納得する。
午後、ニューヨーク図書館へ行く。図書館は5番街の42丁目にある。通りに面したところにテーブルと椅子が沢山置いてあり、大勢の人が食事をしたり、本を読んだり、おしゃべりをしたりと余念がない。私たちも持ってきた軽い昼食を摂りながら、「ここで囲碁を打つと宣伝になりそうだね。」と、話し合った。その後、図書館へ行って本を借りるにはどうしたらいいのだろうと思い、司書に尋ねると、アクセスカードが必要と言われる。早速、作ってもらうことにした。出来上がったアクセスカードを手にしたとき、これで自分も一人前のニューヨーカーになったような気がした。
[ボランティア]
もう、そろそろ終わろうかという夜の9時半頃、30代前半と思われる男女のカップルが訪れてきた。碁は初めてらしくルールから教えてほしいとのこと。初心者の指導に定評のある高本氏が「私がやりましょう」と言って始められた。時にユーモアの混じった説明に熱が入って閉店時間の10時になっても終わらない。男性(頭に小さな帽子を被っていたのでユダヤ人と見える)が主に質問をしながらのレッスンであるが、どうも女性の方が理解が早そうだ。私も別の相手(年配のドイツ人)との対局が終わった後、横で聞きながら、「このお二人がこれからも碁を続けてくれて、時々、碁センターにも来て貰えるといいのだが、、、。」と、思った。
[食事]
1.ジャガイモと玉ねぎ、ニンジン、ブロッコリー、豚肉の煮物
2.カニ(渡りガニ)の味噌汁
3.ご飯
4.サラダ
平成20年4月11日(金) 曇り、のち霧雨
[ウォーキング]
今朝は7時に碁センターを出て、西に向かって歩いた。つまり、イーストリバーからハドソンリバー側に、マンハッタンを横断することになる。5番街を越え、やがて8番街の賑やかな通りを過ぎるあたりから急に町並みの様子が変わってくる。「ウエストサイド物語」の舞台になった地域はもう少し北になるようだが、この辺りも貧しさが目立つようになってきた。約1時間で最西端の12番街にだどりつきハドソン川の流れを見ながら帰途に着いた。
午後、碁盤を持って出かける。ニューヨーク図書館の前で、碁のデモンストレーションである。午前中のウォーキング時は太陽が出ていたので寒さもそれほど感じなかったが、午後は曇りの故か昨日とうって変わって肌寒い。軽く昼食を摂ってから早速対局である。対局をしながら、誰か声を掛けて来るかと思いきや、全くの反応なしである。囲碁と碁センターの宣伝をしようと、広告をコピーしてきたが全くの空振りである。余りにも寒いので途中でやめて図書館で暖をとることにした。図書館にはこれからもお世話になりそうな気がする。
[ボランティア]
今日は韓国系の若者が一番乗りだ。早速お相手をする。聞くと5級くらいとおっしゃるが、これは要注意だ。韓国ではアマの最高が1級である。初段からはプロである。日本で5級だと星目置かせて打つが、へたに置かせて打つと大変な目に会う可能性がある。「どんな手合いで打ちましょうか?」と言うと「互い先で、、、。」と言われるので内心ほっとした。アマでも県代表クラスでなければ多少は恥ずかしくない碁になるだろうと思ったからである。(何手か打つうちに、やはり本当の5級かと思われる手が時々あって、自信が確信に変わったが、、、。)私が若者を相手にしていると、黒人がやってきた。五段とおっしゃる。食事の用意をしていた高本氏が相手をする。2子置かせて2局打ったが一勝一敗であった。私も一局打ったが、簡単につぶされてしまった。本当に強い。今までアメリカやヨーロッパの囲碁大会に数回参加したことがあるが、黒人の打ち手は殆どいなかった。矢張り世間は広い!
[食事]
1.野菜炒め
2.ポテトサラダ
3.ご飯