野口英世の遺功を米国に訪ねる(4)

4.ウッドローン墓地

野口英世の墓は、ニューヨーク市ブロンクスのウッドローン墓地 (Woodlawn Cemetery) にある。

この墓地は実際に行ってみると、広大で、かつとてもよく手入れのされた美しい場所であった。一応、有名人の墓が記載された地図を入口ゲートでいただいたものの、あまりに広大なため、英世の墓を見つけることができなかった。そこで、もう一度入口の警備の人に尋ねると、近くまで一緒に歩いてくれた。

非常に立派なお墓が多いなかで、野口の墓はシンプルで、予想していたより小さなものであった。

昨年、地元の日本人会の寄付により、痛んでいた墓碑銘が取り替えられたとのこと。この銅版の墓碑銘には 英文で「1876年11月24日 日本の猪苗代に生まれ 1928年5月21日 アフリカのゴールド・コーストに死す。 ロックフェラー医学研究所の正員である英世は科学への献身により、人類のために生き、人類のために死せり」と刻んであった。

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写真3 野口英世の墓碑銘

誰かが捧げた花束が残っていた。

鳥の糞で墓石が汚れていたので、筆者はきれいに掃除し、深い祈りを捧げた。

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写真4 野口英世の墓参りをする筆者(ウッドローン墓地)

この墓地には、米国で亡くなったもう一人の日本の偉人が埋葬されていた。

ジアスターゼを抽出し、消化薬として「タカジアスターゼ」を発明した高峰譲吉である。高峰はアドレナリンの抽出にも、世界で初めて成功したことで有名である。高峰も野口同様、米国人と結婚し、経済的にも成功をおさめた。

彼の墓は角地にある大きなもので、富士山と松の木をあしらったステンドグラスがはめ込まれている。彼の祖国を思う気持ちが表れているようで、心を打たれた

エッセイスト 齋藤英雄

野口英世の遺功を米国に訪ねる(5)に続く

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