山陰旅行記(3)

〔5月9日〕

午前6時起床、7時から和式のお膳による朝食を食べた。バスは8時丁度に旅館を出発、豊岡市を過ぎ、河川敷の傍に設けられたコウノトリの餌場を横目に見ながら但馬の小京都「出石町」へ向かった。

8時40分出石町の駐車場に到着、先ず街の中心部にある時計台の辰鼓楼(シンコロウ)に向かい、後は三々五々昔風の城下町を散策、名物の出石皿そばの店がやたらに多いのとお寺の多い町であった。同行の妻の要望により「出石家老の屋敷」を見学、これは家老仙石左京の屋敷があった場所で一見平屋風の建物であったが、表からは見えないように2階に床の間付の隠し部屋があった。

町の南側には出石城址があったが往訪せず、9時40分に出石町を出発した。
10時40分天橋立が見える籠神社(コノジンジャ)の駐車場に到着、籠神社に参拝後ケーブルカーで天橋立を「斜め一文字」に眺めることが出来る「傘松公園」に上がる。

無風快晴の絶好の日和に恵まれ、傘松公園からは絶景の眺めを楽しむことが出来た。天橋立を股の間から覗くと天地が逆転し、正に天に架かる橋のように見えるとのことで有名な股覗きもやってみたが、股から覗かなくても素晴らしい眺めであることが分かった。十分に風景を楽しんだ後、下りは一人乗りのリフトで山を降り、駅前の松井物産の店で、昼食のすき焼き定食を平らげた。

日本三景の一つ天橋立は、全長約3.6km幅20~170mの砂嘴で出来た砂浜に約8,000本の黒松が生い茂っており、廻旋橋を渡って松並木へ入ると磯清水や橋立明神があるそうであったが、時間の関係で松並木の方へは行かなかった。一行は12時30分天橋立発、14時55分には姫路城前駐車場へ到着した。

国宝姫路城

姫路城(白鷺城ともいう)は壮麗な天守閣群(国宝)をはじめ数多くの建物(重要文化財)が築城当時のままの姿で残る唯一の城で世界文化遺産に指定されている。大手門を入った処で城をバックに全員の記念写真をとり、後は自由行動で夫々天守閣へ向かった。また、姫路城は徳川秀忠の長女千姫が大阪城落城の後、本多忠刻に再嫁して姫路城へやって来た時にその持参金で大改造し、今の立派な姿に成ったと言われている。

天守閣は外観5層、内部は地上6階地下1階で高さ46m(海抜92m)の威容を誇っており、最上階まで上がって殿様になった気分で周囲を睥睨した。大天主から渡櫓を歩いて乾小天守へ向かったが、土曜日で観光客が多く行列で順番待ちであったので乾小天守は割愛して城を出た。

大手門外の土産物屋に寄ってソフトクリームで休憩し、土産物を買ってバスに戻り、16時50分出発、龍野インターより山陽自動車道に乗り一路岡山空港へ向かった。18時20分岡山空港に到着、ここで私達はバスを降り、ターミナルビルで軽い夕食を済ませ、19時45分離陸の全日空で羽田へ向かい、20時50分羽田空港に着陸、京浜急行の羽田空港駅から川崎経由で帰宅した時には22時40分になっていた。

〔あとがき〕
初日と2日目はやや雲が多かったが雨には遭わず、3日目は快晴で初夏を思わせる気候であったが、夫婦とも元気に周ることが出来た。中でも始めて往訪した足立美術館や浦富海岸の景色、特に天橋立は素晴らしい眺めで感動と満足の旅行であった。

3日間で岡山県→鳥取県→島根県→鳥取県→島根県→鳥取県→兵庫県→京都府→兵庫県→岡山県と広範囲の観光地を廻るかなりの強行軍の旅行であったが、同行の妻も喜んでくれて、かつ、よく歩いて元気な姿を見せてくれたのは嬉しかった。
以上

佐藤長光

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