ギリシャ神話「ふたご座」
「ふたご座」の神話には、カストルとポルックスという、双子の兄弟が登場します。この双子は決定的に違う運命を持っていましたた。第三回は、「ふたご座」です。
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スパルタ国の王妃レダは、ある日、最高神ゼウスに見初められ白鳥の卵を産んだ。その卵から、カストルとポルックスという双子の兄弟が生まれた。二人は仲が良く、お互いを高め合って成長した。特に乗馬や拳闘の才能が高く、戦士として戦いに参加しては二人で大活躍をした。
その噂を聞きつけた英雄イアソンは、巨船アルゴ号での冒険にカストルとポルックスを招いた。船旅で、二人はタロスという青銅の怪物を倒したり、海賊たちを撃退したりと目覚ましい活躍をみせた。その後、二人は世界中の船乗りたちから船の守護神として崇められるようになった。
しかし、二人には決定的な違いがあった。ゼウスの血を多く受け継いだポルックスは不死身で、スパルタ王の血を多く受け継いだカストルは生身の人間だったのだ。ある戦いでカストルは矢に当たって死んでしまう。絶望したポルックスは自分も死にたいと願ったが不死身のためにそれは叶わなかった。
憐れんだゼウスは、ポルックスの不死性をカストルに半分わけ与えて復活させた。二人は、天に昇って「ふたご座」になり、今でも仲良く暮らしている。