シンゴ旅日記インド編15 インドで医者への巻 後編

総務担当のお母さんのお母さんのホームドクターのところへ車で向う。いつもと違う道を走る。体はしんどいがカメラをカバンから出して窓の外の景色を窺う。金物商というかスクラップ屋さんが多い通りである。

人の背丈もあるテンピンが見えた。シャッターが間に合わなかった。頭に白い帽子を被った人が多い。

『あれってイスラムの人?』
『違います。ガンジー・トピーと言います』

『ガンジス地方の人が被る帽子なの?』
『違います。ガンジー・ハットです。』

『ガンジーってあのガンジーさん?』
『そうです。』

インドネシアのスカルノ・ハットは知っていましたが、ガンジー・ハットは初耳でした。トピ-って帽子のことですよ。インドネシア語でもと思う。

古いアパート群に入って行く。車止まる。ここ?普通のアパートでは無いの?でも外に看板出ている。まあこんなものか?

写真撮って中へ入る。お医者さん一名だけ?奥様も医者で二人で営業しているとのこと。

先客一名あり、その人が出ていって、総務担当と私診察室に入る。

 

 

 

町の病院       待合室

お医者さんの質問に総務担当が一人で答えてくれます。ゆで卵食べたこと話しているのかな?土曜日にもお腹壊したこと話しているのかな。

お医者さんから指示があり、横になって血圧計り、お腹押して調べてもらう。

『何か薬飲みましたか?他に薬飲んでいますか?』

『日本からの食あたりの薬を今朝飲みました。高血圧の薬を日本から持ってきています。しかし、あと4日分しかないので最近は飲んでいません』

これは前任者から高血圧の薬がインドでは日本に比べて異常に安いと聞いていたので、あわよくば調合してもらおうとする私の戦略。

会社で飲もうと持ってきたワカ末を見せる。でも箱から取り出しシート状で持ってきたし、英文の成分表示がないので何も分らない。

お医者さんが薬を調合してくれる。

『夕方に調子悪ければまた来なさい、そうでなければ明日の朝来なさい。』

薬を小さな茶色い袋に入れてくれる。昔、お菓子屋さんで包んでもらったような色の袋です。

お医者さんが総務担当に飲み方を教えています。袋にいつ何を何個飲むのか書いてくれています。

頃合を見て私はお医者さんに写真取らせてくださいと頼む。

『何で?』

とお医者さん、びっくりして聞き返します。

私が趣味で写真日記をつけているからと説明し承諾してもらいました。総務担当も一緒にハイッ、ポーズ。(写真 お母さんのお母さんのホームドクター)

お断りしますが、今までの会話は全て総務担当の通訳付きです。

そして、その総務担当は手のひらに薬を並べて指で何回も個数を数えています。

やめて!!薬は飲むものです。触らないでと心の中で思う。

薬は一日3回分でした。代金は何とRS.50.-(50ルピー=約100円)です。

さすがジェネリック大国。そして医薬分業じゃないのね。

事務所に戻る途中で総務担当が私のためにココナツを買ってくれました。

来る時に大きな秤のあるスクラップ屋さんの前を通り秤が見えたので急いでシャッターを切る。

間に合わなかった。前の席から総務担当が言います。

『丹羽さん、なんでこんな汚いところを撮るのですか?』

総務担当は汚い場所の写真撮ってほしくないのですね。ここが日本であれば私もそう思うでしょうね。

『古い、大きな秤があったのですよ。』

私は言い訳がましく答えました。

10時。事務所に戻る。その手前の商店で総務担当はまた栄養剤を2本買ってくれました。

事務所でパソコン開くも集中できません。

いつもは営業マンに案件ごとに細かく注意する私です。しかし、今日は違います。

『昨日の残りの業務はなんですか?今日する予定の業務は何ですか?リストにしなさい。メールに入っている情報をお客様は本社に転送する前に自分で理解しなさい』などと優しく言うだけが精一杯です。

アパートで休むことにしました。総務担当に伝えます。

『私今日はアパートで休みます。Rest for tomorrow.』

『ちょっと待ってください、丹羽さん。小切手を切り直しますので、サインをください。税率変わったのです。』
『サイン済ました前の小切手はどうしたの、税率がいくらからいくらに変わったの?』

なんや、かんやで、結局。

12時。

カバン提げて出る。事務所の前に駐車してその中で寝ている運転手を起こす。

出発しようとしてキーを回すもエンジンが掛からない。運転手車から降りてボンネット開けて何かいじっている。

戻ってきた、ギアが入っているような音、でもなんと掛かった。

駐車スペースから出ようとするが、なんと彼が寝ている間にその前後にオートバイが数台駐車してしまったみたい。切り替えしを何回もしてもう少しででれるようであったが右のドアが苗木に当たっている。

この事務所棟を管轄する警備のおじいさんが出てきてその苗木を倒して車が出られるようにしてくれました。この警備のおじいさんいつもは椅子に腰掛けて寝ているだけなのに、今日はすごい。

車はアパートに向います。

また市内料金所で料金を私が払いました。良く見るとこの運転手さんシートベルトの先を助手席の方の金具に通していました。

そしてアパートについてそのままベッドに入り休みました。

2時。携帯がなる。

『元気か?』うちのコンサルタント、先週バンガロールで一緒だった人、家族付き合いしてる人、事務所で私が早引きしたと聞いて電話してきてくれた。

『大丈夫と』と私は返事しました。

また携帯なりました。

『メールアドレス教えてほしい。こちらは、、、、、』

良く聞き取れない。前任者の名前叫んでいる。

お客様と思い後でスタッフから電話させると電話切り、その旨事務所の営業マンに電話する。

また寝入る。そして。

5時過ぎ。

総務担当から様子を伺う電話がありました。ありがたい。気が利く。

それにしてもあの営業マンからは先程の電話内容が何であったかの報告がない。明日事務所に行ったらイエローカードだと思う。するとしばらくして

『丹羽さん、気分どうですか?先程の電話は展示会の案内を送るからアドレス教えて欲しいというものでした。』

営業マン、遅れたけど報告できるようになったから進歩か。彼を指導力アップの外部研修に参加させる予定です。

明日からまた疲れそう。パタキさんに買ってもらった栄養剤飲んで寝るとするか。

 

 

 

 

 

栄養剤(マンゴ味)    これがガンジー・ハット

                  薬(良く効きました。)

 

インドで医者への巻 おわり

 

丹羽慎吾

    シンゴ旅日記インド編15 インドで医者への巻 後編” に対して1件のコメントがあります。

    1. YamaneAkio より:

      総務スタッフがクスリを素手で数えていた...との辺りで噴き出しました。
      かえって病気が重くなる?クスリは個々に包装されていないのですか。
      しかしそのクスリがよく効いたとのことでなによりでした。

      インドで一番長い日、お疲れ様でした。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です