福澤諭吉と英語(1)

なぜ日本人は英語が下手なのか。それにはある偉大な人物が大きく関わっているという。

本論の題名からすでに想像がつくかもしれない。そう、福澤諭吉がその原因を作ったという説だが、掘り下げていくと興味深いものがありそうだ。

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと云へり」と述べて、誰にも等しく学問の重要性を説いたのが福澤諭吉だった。

彼の功績のひとつとして、明治という日本の一大変革期にあってそのほかの学識者とともに、欧米の言葉の意味を捉え翻訳し、日本語の言葉を作り出したことにある。

福澤がそうやって世に送り出した言葉には次のようなものがあるといわれている。

・自由
・社会
・経済
・演説
・為替

眺めてみてこれらの言葉がなければ、我々の知的な活動、生産活動に大きな支障があることに気づかされる。一番感心するのは、それまでの日本にはなかった概念や事象だったものを、漢字の持つ機能を活かしてその意味を体現する言葉を造り出したことだ。

福澤の外国語に対する考え方、姿勢を物語るエピソードはこうだった。当初はオランダ語に取り組み、かなりの域に達した。しかしこれからは英語が主流になると敏感に察知した時点で相当の覚悟を持ってきっぱりと英語に切り替えた。

彼はどういう思いでこのような翻訳語を作り出したのか真に興味が尽きない。次号では、その観点からより詳しく追っていきたいと思う。

風戸 俊城


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