ワイン談義~あの時こんな情報が欲しかった! 東 孝昭

2度のパリ駐在を経験していますがワインの知識がなく今から考えると非常に残念です。高度成長からバブルへの時代でもあり多くの日本からの来客をフランス料理に案内しました。結局ワインの選択はレストランのソムニエ任せで自分で選択する事は出来ませんでした。

当時フランスの友人から耳にした話しです。友人はフランスの最高学府ポリテクニックの卒業生(当時は建設省の役人)ですが一年に一度オペラ座を借り切って卒業生のダンスパーティーが開かれる由。成功した先輩が娘の婿を探す目的もあって多くが親子(親と娘)での参加だったようです。若い独身卒業生は懸命にワインの勉強をしたそうです。何故ならワインの話も出来ないのでは相手にされないという事だった由。

彼らの勉強の方法は夏休み返上でブドウ農家にお手伝い(アルバイト)、そしてそのつてで秋にはワイン農家へお手伝い(これもアルバイト)に出かけたそうです。その年の出来具合とか、各地のワイン情報など。更に同級生同士で情報交換、時には酒場で品定めなど。

ワインの味は食べ物との相性も大きいです。勉強範囲がここまで来るととても私にはついて行けそうにありません。結局諦めてソムニエさんのアドバイスをお願いすることに。

ここからは逆説ですが、もしこのサイトの情報が当時に私の手に入っていたらと考えると明らかに世の中が私にとって大きく変わっていた筈です。それは良くも悪くもです。良い意味ではパリでの生活が大きく広くなったことでしょう。しかしその後バブルが崩壊して世の中が一変した時、私の評価はどうなっていたでしょうか。ものは考えよう、知らぬが仏ということも?

東孝昭

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