フランスあれこれ46~ハッピー・リタイヤメント(3)フランス年金制度の裏街道

 この話、お酒の席での話でもあり、私も特に勉強した訳でもないので内容について責任は取れません。

先ずは日本と同じ年金制度(Pension)があり、毎年積み立ててリタイヤの後受給する。受給資格は62歳、但し満額受給は65歳から。その昔聞いた話では支給額は国鉄、続いて公務員や国営企業が多いとか。もともと同業組合ごとにこの制度が拡充されたようです。農業が一番遅かったとも聞きます。ともかく日本と最も違うのは就業期間3か月で受給資格が得られること。

もう一つフランス独特の年金(Rente)と言う私たちの概念と異なる年金があります。むしろこちらの方が歴史的にも古い制度らしい。例えば理解しやすいものに農業があります。広大な農地を持ち、種々の農機具を供え、安定した顧客を持っているとしましょう。ぼつぼつリタイヤを考えた時、これら一切の資産を一括して売りに出す。ただしその対価を一括支払いではなく年金として死ぬまで払い続けてもらう。若し早く死ねば買った人の儲け、予想以上に長生きすればその間は減収となる訳です。多分公証人でしょうか立派な斡旋業務となっていると言うのです。この資産を引き受ける(買い取る)人としても一括して大金を払う必要もなく、日頃の稼ぎで十分利益が出るならば問題はないはず。いつかその日が来て気が付けば全てが我が資産という事でしょう。同時に自分の老後の心配もなくなる。

私の得た結論を一言。フランス人はリタイヤした後が人生本来の目標だと。その証拠は「あなたの職業は?」と聞かれたときの返事は「私はルトレット(退職者)です」と胸を張ります。人生から一歩後退と言う雰囲気は全くありません。

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