フランスあれこれ108 日本の教育制度はフランスから?

いつの頃か記憶はありませんが、フランスでの思い出です。ご近所の子どもは留年したが、友人の子どもは飛び級したと耳にしました。いずれも小学校に入学したばかりの子どもの話です。特別の悪びれも自慢でもなく、よく耳にする話だと言います。驚く私と驚かないフランス人の違いに二重の驚きを感じたものです。しばらくして友人(日系のフランス人)から耳にした話は、日本の教育制度はフランスからだと言います。この時は特別深入りもせず聞き流した会話ですが、私の頭の一角からどうしても離れなかったことも事実です。

昨年来、よく耳にするのが小学校・高等学校(旧制中学校)・大学などの創立150周年とか、その記念事業というニュースです。今から150年前と言いますと1873(明治6)年、この頃全国的に小学校がスタートしてわけで、何かそれを誘引するものがあったのではと想像されます。考えられるのは1867年のパリ万博です。渋沢栄一も参加していますが、彼は産業・経済が中心です。特別の資料が残っているわけでもありませんが、派遣団は帰国後も交流があり、それなりの影響力もあったと想像します。日本も歴史的に見て寺子屋に始まり、藩校や適塾など教育の必要性は一般市民にもそこそこに浸透していたことは納得しますが、明治維新と共になぜこの時期に一挙に一般化したのでしょうか。1886年に義務教育法が発令されていますが、フランスでは1882年に6~12歳が義務化されたようなので、日本はすぐ後を追ったことがが何となく理解できます。

問題はその後の進化と変化です。私の見た日仏の教育環境は全く対照的だったと言えます。日本・ヨーロッパ共に激動の時代を過ごしてきたわけで、歴史が異なった環境を作ったことは否定しません。実力主義のフランスに対し日本は万民平等の原則でした。教育に対する国家予算も大きく異なります。フランスでは義務教育期間はむろん、その後の高等学校や大学まで基本的には授業料免除です。一部の最高学府に入ると国家公務員として給料が支払われるといいます。まあこれ以上の深入りは遠慮することにしましょう。

(余談)余り自信のないテーマについて以上の原稿の後で、最近大変な話題になっている”ChatGPT”で相談してみました。質問と回答は以下の通りでした。

日本の教育制度はフランスから?本当でしょうか

(回答) 日本の現代的な教育制度の形成において、フランスの教育制度が一定の影響を与えたとされています。19世紀後半、明治政府が西洋文明の導入を目指して、欧米諸国を視察し、教育制度の改革に着手しました。この際に、フランスの教育制度が日本の教育制度に影響を与えたとされています。

具体的には、フランスの教育制度が優れているとされ、それを参考にして、日本でもフランス式の中等教育、高等教育制度が導入されました。また、教育行政の制度や教育方針にもフランスの影響が見られます。

しかし、日本の教育制度は単一の国からの影響だけではなく、イギリスやドイツなどの欧州諸国、アメリカ合衆国など様々な国の教育制度からも影響を受けています。そのため、日本の現代的な教育制度は、複数の国の教育制度が混ざり合って形成されたとも言えます。

 

 

 

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