フランスあれこれ89 パリ・ピカソ美術館で衝撃

いつもの散歩道で登戸稲荷神社のすぐ南、津久井道をくぐる小さなトンネルですが、いつも下手な落書きだらけで世界中いずこも同じと軽蔑しながら通っていたのですが、先日ちょっと目を引く落書きに出会いました。それが右の写真です。(他にも2点)

そこで思い出したのが凡そ今から30年程前、2度目のパリ赴任した時です。人の会話に良くピカソの名前が出ました。聞くとほんの数年前にパリ市内にピカソ美術館が出来た。ピカソが死ぬまで抱えていた掘り出し物の作品だと言います。
ルーブルやオルセー美術館は来客の案内で数えることの出来ないくらい行きましたが、私自身は美術には疎い関係です。最初はピカソ嫌いのフランス人がどうした?と思ったのですが思い切って時間を作って出かけました。

会場に入ってまずびっくりしたのがピカソの若かりし頃の自画像(油彩)です。色鮮やかで繊細で表情も豊か、これが本当にピカソの絵なのかと正直疑った次第です。しかも確か15~16歳の時のものでした。左は同じ16歳の時の自画像(ネットから借用)ですが、私が衝撃を受けたのはこれではなかったと思います。正確に記憶している訳ではありませんがネットで探してもそれらしいのは見つかりません。(他にも沢山の自画像があります)
自画像に続く展示作品は所謂習作と称する落書き風のデッサンが数多く並んでいました。部屋を追って見学を続けたのですが彩色の絵画も形が崩れてどんどん落書きに近づいていきます。女性の絵画も顔が崩れ、人間とも思えぬ風情だったり、自画像以外は既に知っているピカソだ!と言うことで見学を途中で打ち切りました。

下の左側の絵は有名な「ゲルニカ」の画像の習作の一つのようです。皆さんは何に見えますか? 正解は「泣き叫んでいる馬」の表情らしい。そして右側は「眠る農民」(1919)を私がステンドグラスで製作したものです。

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