新加坡回想録(52)キャメロンハイランド
マレーシアの避暑地として有名な『キャメロンハイランド』は首都アラルンプールの北約150Km、パハン州にある高原リゾートで、標高が1500mを越えるため年間を通じて気温が20度前後と涼しいところだ。ここは、タイのシルク王として知られたジム・トンプソンが謎の失踪を遂げた場所としても有名である。
英国統治時代の国土調査官、ウィリアム・キャメロンによって1885年によって開発されたので、その名から命名され、丘陵を利用した茶葉生産が盛んなところである。現在でもマレーシア最大の茶葉生産地域で高原野菜などの生産も非常に盛んだ。
四季のある日本と違って1年中暑い熱帯の国マレーシアやシンガポールに住んでいる日本人にとって、涼しいキャメロンハイランドはある意味別世界で何度でも行きたいところなのだ。近年では年金生活者を中心として、日本人の長期滞在者も増えており、彼ら向けのコンドミニアムの建設も盛んとなっているようだ。
クアラルンプールからキャメロンハイランドまでは、車道を利用して行くしか方法がない。レンタカー、バス、自家用車で行く。混んでいなければ片道4時間半くらいで辿り着くが、週末になると当日のバスは満席になることもあるので事前の予約をしておいた方がよいだろう。
キャメロンハイランドの空気は本当に綺麗で、鳥のさえずりや川のせせらぎも聞こえて心も癒される。外の素敵な庭でアフタヌーンティーを飲めば本当に優雅な時間を味わえる。ディナーは、トマトバジルスープ、蒸しサーモン、クリームブリュレ、キャメロンハイランドティーなどが人気のようで、ディナーで訪れる人も多く予約で満席になることもあるようだ。
朝食は、インターコンチネンタルタイプ、ワッフル、オムレツなどから選ぶ事が出来、フルーツやヨーグルトのデザートと牛乳やお茶などのドリンクは自由に取って味わえる。全ての食事が高原野菜で美味しく心温まるどこか懐かしい故郷に戻って来たような味わいで美味しい。
(西 敏)