シンゴ旅日記インド編(その32)インド人の日本観の巻
インドの人と話していると日本を礼儀正しい国、美しい国、四民平等の国と見ているようです
特にビジネスマンは言葉では日本を異常に高く評価しています。
不良品の無い国、生産管理が行き届いている国、完璧な国のように言われます。
しかし、何人もの人に聞くと皆さんが同じで表現で日本を褒め讃えるのです。
学校でそのように学んだのではないかと思わざるを得ません。
それともインドの人特有の外交辞令なのでしょうか。
必ず次のことを言われます。
『アメリカと戦争して負けて、ヒロシマ、ナガサキに原爆を落とされた国。
そして、焼け跡の中から不死鳥(フェニックス)のように立ち上がった国』
『フェニックス』ですよ、布施明の歌か手塚治虫の『火の鳥』を連想します。
そして年配の人には『小さな国なのに大国ロシアと中国に勝った国とも言われます。』
『坂の上の雲』の時代ですよね。司馬遼太郎の本を読んでおいて助かりました。
『日出ずる国』とも言われます。聖徳太子の時代ですよね。
インドの地図がインドの国を中心に描いてあるのでどうしても日本は東の端になるのです。
日本から見ればインドは西方浄土、天竺ですものね。
日本通のインド人の40代の社長さんがいました。
明治維新を高く評価し、あれは革命であると言うのです。
インドも四民平等の国とならなければ発展はありえないと言っていました。
ソニーの盛田さんが表紙写真にある『MADE IN JAPAN』が社長室の棚にありました。
この本は結構インドの本屋さんで見かけます。
私も昔に英語の勉強にと買ったことがありますが、読まずにどこかに行ってしまいました。
日本は『綺麗な国』でゴミが落ちていない国と言われます。そんなことはないのにと思います。
インドがちょっと道路の左右をゴミ箱として使っているだけです。
日本だって、少し前まで車からゴミやタバコの吸殻を捨てたりしていましたよね。
インドの町を朝に通るとほうきで道路を掃除している風景に出会います。
掃除する人はカーストの低い方だと言われます。
ゴミを捨てる人の論理は『自分達がゴミを捨ててあげるから掃除する人の仕事があるのだ』とのことです。ゴミを捨てることを正当化していますよね。
日本ではいろんな仕事があることを『カゴに乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人』と表現しました。
インドは『道にゴミを捨てる人、拾う人、そのまたゴミを使う人』になるのでしょうか。
日本の使い捨ても問題ですよね。日本は勿体ないの精神が無くなってしまいましたよね。
インドの人は言葉では日本を高く評価してくれています。
しかし、ある調査では日本はアメリカに追随して何も言えない国と見ているようです。
丹羽慎吾