シンゴ旅日記インド編(その54)インドの免許証の巻
インドはご存知のようにモーターライゼイーションの真っ最中です。
でもルール・マナーは今ひとつです。自動車の前座席に座るとそれが分かります。
はっきり言って怖いです。映画の「『スター・ウォーズ』の戦闘シーンそのものです。
右から、左から、後ろからバイクや車が飛んで来ます。時には前からも突っ込んで来ます。
とても私にはインドで自動車を運転することは出来ません。
下の写真は整然と遮断機が上がるのを待っているように見えます。が、違うのです電車が直ぐそこまで来ているのです。遮断機が降りていても電車が見えていても、まだ大丈夫と判断すればバイクや自転車は遮断機を掻い潜り線路を横断します。ここ一方通行のように見えますが、そうではありません。反対側も同様です。ですから遮断機が開くとどうなるかわかりますよね。
インドのバイクと自動車の免許証は20才から取得できます。
でも例外もありました。私を送迎してくれている会社の運転手は18才で免許を取ったと言います。何故取れるの?当時親父さんが車を持っており、友達が役所に居たのでごまかして免許を買ったそうです。やっぱり、インドですねえ。
通常は20才以上になり免許取得の申請をし、講習を受けて仮免で一ヶ月運転することとなります。自動車の場合は仮免期間中は免許を持っている人の同乗が義務付けられているとのことです。
そして一ヶ月経過して筆記試験と実地試験をパスして正式の免許がもらえるそうです。
免許の期限は20年です。次の写真はパスポート・タイプの旧式免許証です。
表紙 | 2000年発行の免許証。今はカード・タイプです。 | 有効期限は20年。 |
次は最近のカード・タイプの免許証の裏表です。
免許資格を表すMCWG(Motor Cycle With Gear)はギア付きバイクを意味します。
スクーターはMCWOG(Motor Cycle Without Gear)です。
LMV(Light Motor Vehicle)は乗用車のことです。
TR(Transport)は州を越えて運転出来るという意味です。
TRがないと都度費用を払う必要があります。
カード式は違反すると左中央の電子タグに全て記録が入れられるとのことです。さすがインドは電子化が進んでいますね。一番右の写真は総務担当の免許証です。昔のパスポート・タイプから現在のカード・タイプに移行する前の一枚カードです。実物の本人は優しい顔をしているのに写真の顔は怖そうですね。そして、よく見るとどちらの免許証も父親の名前の欄があります。
免許資格はMCWG、LMV、LMV-TRの3種あり。 | 免許証の裏には免許の種類一覧表。沢山の種類があります。 | 父親の名前が記載されています。 |
次はバイクの証明書です。ここにも電子タグが採用されています。
そして一番右の写真は昔の運転免許証の裏表紙です。
ちゃんと書いてありました。『Driving is a Privilege not a Right』と。
これって『運転することはあなたに与えられた特典であり、誰もが得ることができる権利ではない』と訳すのでしょうか。私は最初これを読んだ時に『Right』を『Fight』と読み違えました。
インド政府も自国の人たちの性格をよく理解しているのでしょうね。
バイクの所有証明書表側 | 同左の裏側 | 昔の免許証の裏表紙 |
インドの街にはドアの無い市内バス、方向指示器やランプの点かないリキシャ、二人乗り、三人乗りのバイク、乗用車、荷車も通っているのです。そして牛も。
丹羽慎吾