シンゴ旅日記インド編5 メイドさんの巻
私の前任者は奥様を同伴しての駐在でした。メイドさんを雇って床掃除だけ頼んでいたとのことでした。
私は単身赴任。四つもバスルームのあるアパートに一人で住んでいるのです。このアパートは前任者が帰任直前に22ヶ月の長期契約の更新をしたばかりなのです。広いからと言ってアパートを替わることもできません。
バンコク駐在時代はサービス・アパートでした。ホテルといっしょです。
掃除、洗濯、食器洗いには全く不自由しませんでした。食事も一歩出れば日本風喫茶店、居酒屋、韓国料理、タイのラーメン屋台なんでもありました。バンコク生活が懐かしいなあ。
さて、インド、アパートに入った翌朝に玄関を激しくノックされました。会社の運転手が来るよりも早い時間です。
ドアを開けるとサリーを着たおばさんがいました。
『ここは私がクリーニングするところだ』と言います。きつい目でドアの隙間から中を窺っています。
私 『○○さん(前任者)は、日本に帰った。もういない。私、メイド、要らない。』
彼女は何か言いたそうでしたが、私はドアを一方的に閉めました。少し心が痛みました。
二週間後の日曜日です。あまりに部屋の床に砂がたまるので、さすがの私も自分で掃除しました。
タイル張りの床掃除の後、ハトのフンで汚れているバルコニー2個所を汗だくになり掃除しました。
しばらくしてドアを激しくノックする音がきこえました。ドアを細めに開けるとサリーを着た女の人が立っています。前回とは違う人です。
『エンプティ?クリーニング。』とメイドの売り込みにきました。きっとランニングシャツと短パンで掃除する私の姿が見えたのでしょうね。この部屋は四階なのによく解りましたね。
でも『エンプティ』ってどういう意味かな?メイドが居ないのかって言う意味かな?
こぎれいな人だったので『どうぞ』って言いたかったんですが、細かい条件や給料を一人で決めるのが面倒なので結局断りました。
メイドをどうしたらよいか分からなかったので帰国した前任者に洗濯、アイロン、床掃除、食事、食器洗いなどしてくれるメイドはいませんでしたかとメールで聞きました。
その回答は次のとおりでした。
- 『メイドはガードマンに頼めば近隣の人を紹介してくれます。でも、インドで掃除する人は下層カーストの人であることを覚えておいてください。
- 自分たちは(奥様がいたので)掃除だけのメイドを雇っていました。
- 駐在中に聞いた日本人の奥様たちのコメントは次のとおりです。
- 洗濯 :使い方知らず壊すことがある。見ていないと自分のものを一緒に洗う。
- アイロン :洗濯機同様まず使ったことがない。上手くかけられない。
- 食器洗い :洗い方が激しい、日本から持ってきた茶碗類を割ってほしくない。布巾と雑巾の区別がつかない。トイレの雑巾で食卓拭いたのを見たことがある。
- 料理 :まず日本の味付けを教えるのは無理。すべてマサラ(インドの香辛料)で味付けする人たちだから。
ちなみに前任者が使っていたメイドは次のように言っていたようです。
『私はいいメイドです。』
『なぜ?』
『お金盗らないから』
『。。。!?』
そういえば、ある会社の運転手にメイドが要るなーと言った時、聞かれたことがあります。
『洗濯は手洗いか、機械か?』
よって、私、当分自分で主夫します。