ヤタガラスの「教えてワイン!」36~世界に羽ばたくブドウ品種「甲州」

長年に亘るワインの歴史は何と言ってもヨーロッパ。どうしてもフランスなどヨーロッパ諸国の話が多くなります。正月くらいは日本のことも少し話題にしないと罰が当たりそうです。そこで、最近目覚ましい成長をしている日本のワイン事情からぶどう品種の話をしましょう。

日本固有種の甲州は、江戸時代までは生食用でした。明治期にワイン造りの技術が伝来するとともにワイン醸造用として使用するようになったとされています。現在も生食用として流通していますが、果実はワインの醸造に適した豊かな酸味持っておりその評価が次第に高まりつつあります。

色はごく淡い黄金色。特に際立った色の個性はなく、無色に近いものもあります。香りは、白桃やゆず、レモンなど柑橘類を思わせる繊細な香り。味は、しっかりとした味わいがありながら、主張しすぎない。そんな甲州ワインの真骨頂は、繊細な味付けと素材を生かした日本料理とはこれ以上なく相性がいいといわれています。海外のワインより鉄分が少ないため焼き魚や野菜にぴったりです。

DNA鑑定の結果、甲州は日本古来のオリジナル品種であり、ピノ・ノワールやシャルドネと同様にワインに最適なヴィテイス・ヴィニフェラ種であることもほぼ解明されました。

軽やかなのに凛とした甲州ワインは、最近ロンドンやパリで大絶賛を浴びております。世界最大級のコンクールでも、各国のワインを押しのけて数々の賞を獲得しており、ワイン界の最高権威、マスター・オブ・ワインも何度となく日本を訪れ、その魅力を世界に発信し始めています。これからが楽しみな甲州ワインです。

中でも、グリド甲州はおすすめの一品です。ジャパンワインチャレンジ2011 甲州部門最優秀賞受賞!山梨県産甲州種を使用し、料理との相性を第一に考え、親しみやすく飲み心地良い味わいのワインを目指しました。グリドの名称は、甲州種の果皮の色を表すGris(仏語:ピンクがかった薄灰色)と、De(...の)から名付けられました。

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