ヤタガラスの「教えてワイン!」48~カルメネール

現在チリを代表する葡萄となっているカルメネール。でも実は長いこと他の葡萄と混同されていて「絶滅した」とみなされていました。カルメネールはチリの土着品種のようですが、実はフランスからの外来品種です。

カルメネールがフランスから輸出されチリに根付いたのは1850年代のこと。乾燥した気候と昼夜の寒暖差という葡萄栽培に有利なチリの気候条件によって、カルメネールはどんどん栽培面積を増やして行きました。フランスでは1860年代にフィロキセラという害虫で葡萄畑が壊滅的な状態になりワインの生産量が激減しましたが、その間フランス人たちの舌を潤したのがチリのカルメネールでした

チリではその後も栽培面積の拡大・普及が進み、カルメネールは大成功を収めました。と言いたいところですが、そうはいきません。なんと長い間にカルメネールはメルロと混同され、絶滅したと思われてしまっていたのです!その間、メルロには2種類あると思われていて、早熟メルロよりも収穫が3週間遅れる晩熟のメルロがあるということになっていましたが、実はこの晩熟メルロこそが絶滅したと思われていたカルメネールだった、ということが近年の研究によりわかりました。

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