フランスの人は自分の家の内装や壁紙の張替えなどはいとも簡単という事だと思います。私の二度目のパリ赴任で借りた家の壁は完全に白一色でした。要は、インテリアはご自分のお気に召すようにという事だったのでしょう。この時私は敢えて白い壁のまま、実にフランスらしくない内装で過ごしました。
日本語で日曜大工と訳しているフランス語は”Bricolage”(ブリコラージュ)と言います。念のため辞書を引いてみますと「古いものの復活」となっています。
右の写真はパリの大手百貨店の一つで通称”BHV”です。BHVは”Bazar de Hotel de Ville” 即ち日本語に直訳すると「市役所市場」と言うところです。この百貨店の特徴は地下一階が全てDIY、あらゆる種類の日曜大工用品で一杯です。週末は多くの人で賑わいますが、中にはメモをもって店員と相談したり、夫婦でインテリアの品定めをしているのを見かけます。
日曜大工用品店はここだけではありません。郊外などのチョットした町にもDIYの店が存在します。特に日曜日などは大変な賑わいで店員さんがてんやわんやです。この種の店は単に材料を売るだけではなく、必要な道具も貸してくれるし、相談にも乗ってくれます。
私の知人の一人が週末になると必ずノルマンディーに出かけます。最初は農園でもやっていたようですが、そのうち息子と二人必ず週末は一緒という事で、その理由は二人で家を建設中と言うことが判りました。農園の一角に小屋がありそこで寝泊まりしていたようですが本格的な家を建て、まずは週末の別荘、そして将来は永住の故郷をという事でした。
約3年位かけて完成して一度お招きを頂いたのですが残念ながら私の都合で実現しませんでした。話によると素人のバラック造りなんてとんでもないという絶賛を貰っていました。
私の日曜大工の経験はただ一回だけ、50年以上前にフランスで家具付きの住宅を借りたときです。家主さんと最初に訪問してすぐに気に入ったのですが、玄関を入った正面に大きな鏡がありその周りの壁が少し汚れていたので、将来私の責任ではないという事を耳に入れておこうと思って指摘したところ、家主さんからはご自分で好きなように張り替えて下さい、そして必要あれば費用を請求して下さいとの返事を貰いました。どうしようか考えたのですが思い切って近所の日曜大工店に出かけました。週末で店員さんが忙しく、とても対応してもらえる状態ではなかったのですが、幸い来客の一人が得意げに色々教えてくれました。面積分の壁紙と言っても接着剤のついたものを購入、カッターとローラーを借りて何とか完成しました。後日家主が見に来て「これは良く出来た!これで家の格も上がったので家賃の値上げだ!」と冗談。これが私の最初で最後のブリコラージュでした。
そういえば我が家に”Interieurs Parisiens”(パリっ子のインテリア)と言う分厚い本があります。どこで手に入れたものか、誰かに頂いたものか良く分かりません。内容も余り真面目に眺めた記憶もありません。この種の本は本屋は無論、日曜大工店などでも手に入ります。お金を出してまで、購入する本かどうか私には疑問です。

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