笑説「ハイムのひろば」4

4 サーバーへの期待

西野は、半日かけて都内まで出かけたが、行きと帰りの電車の中での気分は真反対だった。夕べから徹夜でホームページの修復作業を行い、明け方になって期待通りの結果が出た。その達成感を感じながら気持ちのいい一日になるはずだった。行きの電車の中では睡眠不足をものともせず充実した気持ちでいっぱいだった。ところが帰りの車内では、その幸せな気持ちが「ログイン不能」の一言で一瞬に打ち砕かれたのだ。

それでも、帰宅するとすぐにパソコンを開き、サーバーからの返事をチェックした。しかし、問い合わせをしてからまだ半日も経っていない。返事が来るまで時間がかかるのは致し方ない。このサーバーは、建前として、問い合わせがあってから48時間以内に返事をすることになっている。今までの経験でもその約束は守られてきたし、時によっては24時間以内に回答が来ることもしばしばある。

以前、別のサーバーに対してある問い合わせをした時に、トラブルの原因について「今まで経験したことのないもので、当方では対処のしようがありません」と木で鼻をくくったような返事があり、頭にきたことがある。その後、今のサーバーに移して、同じトラブルが起きた時に得た回答は、理論的で問題の焦点を的確にとらえたものだった。その時から西野はこのサーバーを信頼している。会社の問題なのか、たまたまその時の担当者の問題なのかわからないが、ユーザーとしては、例え即答できない場合でも常にユーザーに寄り添った回答であってほしいものだと思う。

サーバーからの返事を待ってばかりはいられない。自力で解決することが基本だ。そう思った西野は、夕食後パソコンから離れることはなかった。そして、この日は、いつも夕食後に飲んでいるあの恐怖の”眠り薬”(鎮痛剤の副作用)を飲むことは止めにした。下手すると、明日の昼過ぎまで寝てしまうからだ。幸い、今、ヘルニアによる痛みはほとんどないし痺れもわずかでさほど気にするほどでもない。医師にも、一週間に一度なら飲まない日があってもいいと確認済みだ。

夜中3時半くらいまで手を尽くして頑張ってみたが、期待した結果は出なかった。6時半には愛犬と朝の散歩に行かなくてはならないので、今日は諦めて少し眠ることにした。明日になれば、おそらくサーバーからの返事があるだろう。その返事がトラブル解決への特急券となるか、少なくとも大きなヒントになることを期待しながら眠りについた。

~つづく~

蓬城 新

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