フランスあれこれ97 パリの公園(1)ルクサンブール庭園
パリ観光で、よほどの長期滞在かあるいはついででもない限り公園の見学はあまり予定しないのでないかと思います。今回はサンミッシェルの学生街の一角にある私にとって感動の庭園(ルクサンブール公園)を先ずご紹介させていただきます。私はパリでステンドグラスを習いました。そして古い教会巡りをして多くの作品を見学して回りました。そんな中で訪ねたこの庭園では正直なところカルチャーショックを受けました。
春先のお天気に恵まれた日だったかと思います。この公園、別名で自由の公園とも呼ばれるだけあって何でも自由、芝生の上での日光浴はフランス人の得意。ジョギング、ヨガや太極拳、それにペタンク、チェスやブリッジ、読書は無論そして毛糸を編む婦人。これらを楽しむための特別のコーナーやテーブルが完備。場所柄学生たちの議論、それに割り込む中年の紳士(ひょっとしたら先生?)そして何よりも多いのは老若を問わず仲良く手を繋いだカップル、そして私のように一人でそぞろ歩く寂しげな男女。皆さんベンチは無論使い放題の自由席。
公園の中程にプールがあり、子供たちの絶好の遊び場です。ヨットを浮かべ上機嫌の子供たち、その場で借りることも出来ます。
庭園は典型的なフランス庭園で対照的に配置、常緑の木々や可憐な花のガーデニング。ところどころ木の陰に姿を見せる多くの彫刻ブロンズ像。この公園の一角に「自由の女神」のオリジナル像があります。高さ3m位の小型ですがあくまでもこちらが原型。
公園の一角に古い城館があります。現在これはフランス上院議員会館で現役の議事堂です。日本の参議院議事堂というところです。歴史をちょっと紐解きますと、時代が16世紀に遡ります。後に初代のフランス国王となるアンリ四世(1553~1610)がルネッサンスで財を成したイタリヤのメディチ家から二人目の王妃マリー・ド・メディシスを娶りますが持参金目当てだったのか二人の関係が良くなかった。マリー王妃は気の進まぬルーブル宮殿を出て、ルクサンブール公園のこの地にイタリヤ風の別荘を作り移り住みます。時あたかもイタリヤのルネッサンス、最高の建築技術が導入されたとのこと。その後この邸宅が改修されて上院の議会になりました。