ヤタガラスの「教えてワイン!」61~ドイツのワイン法と格付け
ドイツのワイン法と規格は、これまでみてきたフランスやイタリアのそれとは全く違う特徴があります。それは、ワインに使用するブドウにどれくらいの糖度があるかによって格付けされていることです。
ブドウの最低糖度(エクスレ度)などに厳しいワイン法
ドイツのワイン法は1971年に発令されました。産地だけでなく収穫時のブドウに含まれる最低糖度(エクスレ度)、つまりブドウがどの程度熟しているかを基準にして格付けしています。白ワインの甘口が主流を占めるため、糖度の高いものほど高く格付けされます。1エクスレは糖度約4度です。
ドイツワイン3つの格付け
QmP(Qualitatswein mit Pradikat)
クアリテーツヴァイン・ミット・プレディカートとは、指定地域高級ワインのことで、ズースレゼルヴ(補糖の代わりに濃縮果汁を加えること)は一切認められません。指定された13の栽培地域をさらに40に分け、その1区画に限定して、ブドウの生産からワイン醸造、瓶漬けまですべての過程がその区画で行なわれたものです。
収穫時のブドウの糖度等によってカビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼ、ベーレンアウスレーゼ、アイスヴァイン、トロッケンベーレンアウスレーゼの6等級に分けられます。この順で収穫時期は遅くなり、後のほうほど甘口になります。
QbA (Qualitatswein bestimmter Anbaugebeit)
指定された13の栽培地域の1地域内で生産した、糖度約15度以上のブドウだけを使用したもの。ぶどう栽培から生産までの一貫製造で造られ、国家公認検査で合格したワインです。
13の栽培地域とは、ラインガウ、ラインヘッセン、アール、ミッテルライン、ヘシッシェ・ベルクシュトラーセ、ファルツ、ナーエ、モーゼル・ザール・ルーヴァー、フランケン、ヴリュテンベルク、バーデン、ザーレ・ウンシュトルート、ザクセンです。
Tafelwein(ターフェルヴァイン)
EU加盟国内におけるブレンドワインのEUターフェルヴァイン、ドイツ国内ブドウだけのブレンドワインのドイチャー・ターフェルヴァイン、指定地域産の地ワインのランドヴァイン(最低アルコール糖度0.5度以上高い、高級テーブルワイン)の3つに分けられます。
A.P.Nr.(アーペーヌンマー)の見方
QmP、QbAのワインは、ブドウの成熟度、化学分析、官能検査の国家公認検査に合格すると検査番号()がつけられます。番号に基づき生産者などがわかるようになっています。
A.P.Nr. 5 106 064 48 99 |
① ② ③ ④ ⑤ |
①検査機関の登録番号
②生産地の所在地の登録番号
③生産地の登録番号
④その年の通し番号
⑤検査された年度