ヤタガラスの「教えてワイン!」81~チーズの基礎知識3~種類
チーズの種類
チーズはその製造方法によって、「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2つに大きく分けられる。
ナチュラルチーズは、牛乳や山羊乳、羊乳などの原料乳に酸や酵素を加えて凝固させた後、発酵・熟成のみを行ったもの。種類により熟成することで、風味を増して仕上げられる。ナチュラルチーズは、さらに「フレッシュチーズ」「パスタフィラータチーズ」「白カビチーズ」「ウォッシュチーズ」「シェーブルチーズ」「ブルーチーズ」「セミハード&ハードチーズ」に分けられる。(タイプ別に別途紹介)
プロセスチーズは、ゴーダやチェダーなどのナチュラルチーズを1種類、または数種類を粉砕・加熱して成形したもの。ナチュラルチーズに比べて風味が一定で、保存性が高いのが特徴。
(注)ナチュラルチーズやプロセスチーズといった言葉が日常的に使われているのは、日本やアメリカなどプロセスチーズの消費量が多い国のみであり、ヨーロッパではチーズと言えばナチュラルチーズのことを指すので、あまり使われない言葉である。
ナチュラルチーズの分類 | 代表 | |
フレッシュ チーズ |
熟成させないタイプのチーズで、チーズを作る工程の第一段階で完成させたもの。クセのないものが多く柔らかく水分が多い。できたての新鮮な新鮮な状態で食べるのがよい。 | リコッタ、 マスカルポーネ、 クワルク |
パスタフィラータ チーズ |
ミルクを凝乳酵素で固めてホエイを輩出したカードを熱湯で練ることで弾力のある繊維状の組織になる。パスタは生地、フィラータは糸状に裂ける意。 | モッツァレッラ、 ブッラータ、 スカモルツァ |
白カビ チーズ |
表面に植えた白カビにより外側から内側に向かって熟成する。切断した内部はクリーム色で熟成が進むにつれ褐色の斑点が現れる。クリーミーでマイルド。 | ブリードモー、 シャウルス、 カマンベール |
ウォッシュ チーズ |
熟成の過程で表皮に塩水やワイン、ブランデーを吹き付けて洗う。表面に「リネンス菌」が繁殖し熟成するため匂いが強いが、中身は個性的な深い味わいで通向き。 | エポワス ポンレヴェック マンステール |
シェーブル チーズ |
シェーブルはフランス語で山羊の意。山羊の生乳で作られるチーズの元祖。熟成が若いうちは爽やかな酸味、進むに連れてコクと風味が増す。山羊特有の風味が強く感じられ根強い人気がある。 | ヴァランセ セルシュール シェール |
ブルー チーズ |
内側に青カビを繁殖させる。空気を求めて外側に向かっ熟成。強力な脂肪分解作用による特有の刺激的な香りがして塩味が強い。独特の風味がクセになる。 | ロックフォール ゴルゴンゾーラ スティルトン |
セミハード&ハード チーズ |
プレスして水分量を少なくした堅いもので重量感あり長期保存が可能。プロセスチーズの原料になる。熟成の進み具合に応じて何段階かに分けられるものもある。 |
チェダー、ゴーダ パルミジャーノ レッジャーノ |