ヤタガラスの「教えてワイン!」9~「激しいワイン」と「穏やかなワイン」

紹介した本の中で、前回まではフランスの国土を4つの地域に分け、それぞれの気候や風土の違いが述べられていました。それぞれの地域の特徴から生まれる原料ぶどうの差が、ワインの違いに現れるという説明は正直驚きをもって受け止め、胸にすとんと落ちました。

この本の中で言われる言葉に「激しいワイン」と「穏やかなワイン」という表現がありますが、どういう意味だかもうひとつ分かりにくい。そこで、再度ここで整理したいと思います。

山側の産地では、気温の変化が激しい。夜間は冷え込み、日中はかなり高温になります。気温の幅が大きいと、葡萄はその広い範囲でそれぞれの温度に応じた生成物を作るので、多くの種類の生成物が少しずつ蓄積されていくことになります。

一方、海側の地域では、気温の変動は穏やかです。最低気温と最高気温の幅が狭いわけで、温度に応じた生成物の種類も少なくなります。生成物の種類が少ないということは、それぞれは多めに生産されることになります。

「激しい」というのは、「生成物の種類が多い」ということを意味しており、反対に「穏やか」というのは、「生成物の種類が少ない」ことを表しています。

■ロワールのワインは、生成物の種類が少なく、そのうえ量的にも少ないです。

■ブルゴーニュのワインが激しくて弱いのは、生成物の種類は多いのだが量は少ないことによります。

■逆に穏やかで強いボルドーのワインは、生成物の種類は少ないものの量は多いからです。

■コート・デュ・ローヌのワインは、中身の生成物は種類も量も多いのです。

(出典:安間宏見著「ワインの謎解き」)

ヤタガラス

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