プロカメラマンの秘密を探る⑫~鳥を撮るⅡ

ある冬の朝7時過ぎ、いつものように多摩川の川べりにいる。寒いので少し厚着をして出かけたが天気は素晴らしく晴れ渡り、空の色が青く冴えわたっている。この空のブルーはこのまま捨ててしまうのは勿体ないと思う。雲ひとつないこんな青空に似合うものは何だろう。

とそんなことを考えているところに白い鳥の群れがやってきた。シラサギのようだ。白い羽が朝日に反射してまぶしい。しかも、少なくとも30羽はいそうな大きな群れだ。これはひょっとするとこの情景にぴったりの構図になるかもしれない。意気込んでシャッターを切る。思った通りの画になると直感する。帰宅して調べるまでは結果がわからないことも多いが今回は間違いなさそうだ。

帰宅してチェックする。はたして結果は、思った通りの画になっていた。野村さん、結果に満足して自慢気に娘さんに見せる。「どうだ、きれいだろう?年賀状に使ってもいいよ」と言うと、娘さんから、「何だか、お線香のCMみたい!」と言われたそうな。なるほど、そういえば、”青雲”という言葉にぴったりの一枚ではある。

~つづく~

(今回でシリーズ12回目のこの記事は、6月10日に開催されたプロカメラマン・野村成次氏の講演会で披露された写真についてのものです。当日出席できなかった方やもう一度あの感激を確かめたいという方のために、実際に野村氏から伺った話を元に筆者の想像を加えて書いています。)(八咫烏)

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