アルゼンチンを感じる映画たちへのツブヤキ その4

私の好きな作品の一つに、「蜘蛛女のキス」(1976年作成、1988年日本公開、アルゼンチン)があります。
この映画、刑務所の監房の二人のやり取りではじまります。この二人は政治犯とゲイの囚人の組合せ?何故でしょうか、不思議です。
監房内での二人のやり取り、そして劇中物語の中で語られる架空?の映画のストーリ、現実と架空の世界の行き来するようなストーリ、不思議です。
これが南米文学で言うところのマジックリアリズム?なのかしらとも思いました。

何を愛するのか?愛するために何を手放し、何故どうしてそうするのだろうか?
ゲイの囚人を演じたウィリアム・ハートの演技は強く印象に残ります。

まだLGBTですとか性の多様性と言うことが世間に公に論じられていなかった1970年代に仕草や内面を繊細に表現し演じているように感じます。
その後現在まで観た性の多様性を扱った作品の中でも秀逸の演技かもしれません。

そしてラスト近くでのゲイの囚人がとる行動、ラストシーンの二人で小舟に乗り沖に見える島へ向け漕ぎ出します。現実?か架空?か、このシーンに映画を観る人は何を思うのか。

アルゼンチンの映画ではありませんけれども、「皆殺しの天使」(1981年日本公開、メキシコ)、「ビリディアナ」(1964年日本公開、メキシコ)、ここにも「狂気(狂喜)」が在るように感じます。

南米の多くの国の成り立ちをみますと、現地の人々の元々の文化、植民地化、旧宗主国の文化などが色濃くあります。
元から原住していた人、旧宗主国の人、旧宗主国からの移民、各国の独立後の移民(日本人もここに多くの足跡を残しています)、黒人、そして混血の人びと、そのような複雑な人種構成と階層があり社会基盤があり歴史があります。

ブルーブラッド(青い血:Blueblood)と言う言葉もあります。
貴族の血と言う意味があるようです。ヨーロッパに血筋の礎をもち純血であることを高貴としてとらえていることがわかります。
アルゼンチンのワインでラベルに「青い心臓」が描かれているモノがありました。これも何か意味がありそうですね~(^-^)。

△△その5へ、つづく~。

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