シンゴのきになる話㉗ 散歩していて気になる話の巻(その12)

かつてインドのマハラシュトラ州のプネに私が赴任した時期は、ちょうど4月でした。

朝から道路側の屋台でマンゴーを並べて売っている風景に出合い、インドでもマンゴーが取れるのだと思いました。

そして、赴任してすぐにプネより南の町に車で出張した時に、運転手がここの町で採れるマンゴーが一番おいしいのですといって、お店で売っていたマンゴーを一個一個確認しながら箱に積め、車の荷台に乗せて帰りました。車は座席と荷台がつながるタイプのミニバンでしたので、その後数日間は車の中にマンゴーの甘い香りが残りました。

調べてみると、マンゴーの原産地はインドからインドシナ半島なのです。

インドでは4000年前から栽培されていたと言われます。

ポルトガルの探検家バスコ・ダ・ガマ(1469年~1524年)がアフリカの喜望峰経由のインド航路を発見してから、インドのマンゴーはヨーロッパを中心に広く紹介されました。

さらに大航海時代に世界を相手にしたポルトガル、スペインによってアフリカ方面、南米方面、西インド諸島へ、また陸路を通ってメキシコ、フロリダ、カリフォルニアへと伝わっていきました。

また、東南アジア方面にも広まり、日本にも明治になって栽培方法が伝わってきました。

インドではマンゴーは乾季の後半の5月から6月ころがシーズンです。

そして、そのシーズンの前に数日間降る雨をマンゴーレインと言います。

マハラシュトラ州はマンゴーの一大産地で、州都であるムンバイでは毎年5月にマンゴーフェステバルが開かれて、マンゴーのおいしい食べ方が紹介されます。

そのインドのマンゴーの中でもマンゴーの王様と言われるのがアルフォンソ・マンゴーです。

アルフォンソとは英国より前にインドを統治したポルトガルの第二代インド総督のアフォンソ・デ・アルブケルケ(1453年~1515年)から名付けられています。

彼は1510年にインドのゴアを占領し、ポルトガルのアジア支配の拠点としました。

さらに1511年にはマレー半島における香料貿易の中継地として繁栄していたマラッカ王国をも占領し、マラッカを東南アジアにおける拠点としました。
そのアフフォンソ提督が南インドのゴアにあった品種とアフリカから取り寄せた品種を接木して、美味しいマンゴーを作り、それがマンゴーの王様になったのです。

散歩していて気になる話の巻(その13)につづく

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